地元の宇都宮大学で行われました
「栃木県連携大学院構想を考える集い」に参加させて頂きました。
"産学官連携"という言葉は、
耳にして結構な月日が流れていると思います。
この場合の多くは、
大学が抱える技術を民間企業に転用して、
新しいものを開発するなどが主だと思います。
今回は、企業側の人材を例えば大学院で学ばせることにより、
新しい価値を創造しようという取り組みです。
論文を書くことも多いので、
文章を纏めることが上手になるとか、
発表の場も多いですから、
アピールが上手になるとか、
更には、新しいアイデアを思考する癖が身に付くなど、
様々な利点が見出されているようです。
そんな中で、実際に企業の社長をする傍ら、
大学院に通い工学博士になられた
中津正修社長の記念講演が行われるということで、
宇都宮大学へ拝聴しに行きました。
題名は「感性的視点を利用した企業経営の分析評価」です。
例えば企業が銀行へ融資をお願いしに行くとします。
当然、財務諸表で過去数年の経営が問われ、
それが融資判断の大半だったりします。
ところが、起業したてのベンチャー企業だとどうでしょう?
過去の実績が無いですから、
通常はよっぽどビジネスモデルが突飛したものでないと、
国庫絡みにしないと融資が難しかったりします。
既存の主な判断基準を"定量評価"と呼ぶとすると、
今回の研究で"定性評価"という新たな軸の妥当性を検証しています。
"定性評価"とは、経営者が語った文章を元にして、
幾つかのパラメータを数値化します。
"経営に対するモチベーションはどうか?"とか、
"社員に対する想いはどうか?"みたいな項目です。
県内の元気な企業を十数社ピックアップし、
大学生を被験者として数値付けをして貰います。
1社を複数で担当しますし、渡す資料の順番もランダムです。
評価方法については、
2つぐらい横文字が出ていました。
○○方式みたいなものでしたが、
ここは付いて行けないのでスルーします。
で、それら企業は収集当時は元気な企業でしたが、
今は4割は廃業をしているそうで、
"定性評価"と"定量評価"でそれぞれ予測を立てて、
その結果を検証し、明らかに"定量評価"でも差が出たそうです。
つまり"定性評価"とは、
過去の数値により未来を予測しますが、
"定量評価"によって、
現在の数値により未来を予測できるという研究です。
成功する確率が高い経営者を判断することが出来るかもしれませんし、
また、失敗する要因を指摘し訂正が可能となれば、
新たな方向性もみえてきます。
それにしましても、
中津工学博士の説明の上手さもありますが、
非常に分かりやすい記念講演でした。
IT屋さんとして1つ話すとしたら、
文章自体を本人が書いている保障が得られないという部分かな。
もう1歩踏み込むとしたら、
インタビュー項目をランダムに用意し、
動画を撮影しながら行い、目線や手の動きなどのしぐさ、
質問から返答までのタイムラグ、音声解析を行うなどをします。
ITを活用した"定量評価"を行えば、
人の力を借りてランダムに行うという
ある種の曖昧さが払拭できるのではと思いました。
ただ、感性学の面白さでもありますので、
否定はしません。
それにしても、数百名の協力を得ながらも、
ここまで研究の成果を纏め上げるのは、
さぞかしご苦労も多かったことと思います。
大変に興味深い、有意義なお話しでございました。
ありがとうございました。